当院では、前立腺肥大症に対して下記の低侵襲手術が日帰り治療(基本)としてできるようになりました。

①経尿道的水蒸気治療(WAVE:Rezum)

②経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL:ウロリフト)

入院が必要な場合は後方支援病院にご入院いただきます。
麻酔法に関しては、局所麻酔、仙骨硬膜外麻酔、必要に応じて静脈内鎮静法を併用することもあり、個々の状態で決定します。
ただし、これらの治療法は現在下記の如く、適正使用指針があります。

本治療は手術療法が適応される患者のうち、以下の症状や状態を伴う患者に適用されます。

前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を訴える患者
本邦ガイドラインに記載のある手術療法が適用される患者のうち、全身状態や手術侵襲を考慮して、従来の手術療法(TURP、HoLEP、PVP等)が以下のように困難な症例:
全身状態不良のため合併症リスクが高い症例
高齢もしくは認知機能障害の為、術後せん妄、身体機能低下のリスクが高い症例
抗血栓薬の内服または血液凝固異常症により術中出血のリスクが高い症例

上記を満たさない場合、自費診療となります。(保険が適用できません。)

経尿道的水蒸気治療(WAVE:Rezum)

経尿道的水蒸気治療(WAVE)とは、水蒸気を用いて前立腺肥大症を治療します。針で数カ所刺すだけなので傷がほとんどつかず、術後の痛みや刺激が従来よりも少ない手術です。異物を体内に残さずに治療することが可能になります。

デリバリーデバイスとジェネレーター

デリバリーデバイスとジェネレーター


肥大した前立腺に針を刺し、水蒸気(103℃)を注入します。
高温の水蒸気が肥大した前立腺に広がり、前立腺組織を壊死させて尿道を大きくします。壊死した細胞が1-3カ月をかけて自然に体内に吸収されることで、症状を和らげます。体への負担が少ないため、高齢の方でも可能な手術です。手術時間は短時間で終了します。

経尿道的水蒸気治療(WAVE:Rezum)説明画像

治療後は、一時的な前立腺のむくみが生じるため、当院では1週間の尿道カテーテルの留置を基本としています(ただし、間欠的自己導尿ができる方は、早目のカテーテル抜去は可能です)。したがって尿道カテーテルは手術後の外来再診時に抜去します。排尿状態の改善は多くの場合、術後1カ月以降にみられます。


術後の合併症 

これらのほとんどは術後早期に発生し、軽微なものであることがほとんどです。

  • 血尿・尿閉・尿路感染・疼痛 等

また、術後1週間は留置されたカテーテルの痛みを感じる場合があります。

またこの治療は、他の手術手技と比較して性機能への影響が少ないとされていますが、術前の性機能が完全に維持されるかは個人差があると考えてください。手術の効果が出るまでに約1カ月以上を要する治療であることの理解いただく必要があります。


費用

この治療は基本健康保険適用です。手術当日の窓口での支払い額は、3割負担の方で約15万円、2割負担の方で約10万円、1割負担の方で約5万円となります。適正使用指針を満たさない場合は自費となります。
自己負担限度額を超えた額が後日払い戻される「高額療養費制度」がありますので、後々支払った医療費の一部は戻ってきます。「限度額適用認定証」を取得することをお勧めします。

経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL:ウロリフト)

前立腺の中に小型のインプラント(通常4~6個)を埋め込み、肥大した前立腺を持ち上げて尿道を拡げ、排尿しやすくする治療法です。前立腺組織の切開、加熱、切除が不要な治療法で、体への負担が少ないのが特徴です。

デリバリーハンドル

デリバリーハンドル

インプラント

インプラント


ウロリフトの特徴

  • 服薬より迅速な症状改善
  • 経尿道的前立腺切除術(TURP)などの外科手術よりもリスクが低い
  • 性機能の温存
  • 数日後に日常生活への復帰
  • 生活の質の改善
  • 前立腺肥大症に対する服薬の継続が不要の可能性

術後の合併症

軽度から中程度の症状となります。症状の多くは術後2~4週間以内に消失します。

  • 尿失禁・尿路感染症・排尿困難・排尿痛・排尿時灼熱感・尿意切迫感
  • 尿意制御不能・血尿・骨盤痛・結石付着

費用

この治療は基本健康保険適用です。手術当日の窓口での支払い額は、留置したインプラントの数で異なります。適正使用指針を満たさない場合は自費となります。
自己負担限度額を超えた額が後日払い戻される「高額療養費制度」がありますので、後々支払った医療費の一部は戻ってきます。「限度額適用認定証」を取得することをお勧めします。